都内散策

moriyasu11232009-05-27

午前中、千代田区霞ヶ関にある文科省にてプレゼン(のつきそい)。昼には渋谷区神南の職場に戻り、スキー選手の体力測定。
測定終了後、世界選手権の参加標準B記録を突破している400mH選手とのミーティングのため、北区西が丘にあるNTCに向かう。
まず、午前中のMRI撮影による体幹下部と大腿部の筋横断面積データについて、JISSの松尾先生からフィードバックしていただく。
2月の研修合宿の折りに、選手から「定期的にMRI撮影を行ってみたい」というリクエストを頂戴していたので、いろいろと調整しながらやっと実施にこぎ着けた。
松尾先生から「短期間でこれほど変化があるのは予想外であり、チェックの頻度を高める必要があるのではないか」とのアドバイスをいただく(早速、お願いする)。
この手のデータは、そのときのパフォーマンス(走れているのかいないのか)や走動作、そしてそれまでに行ってきた(行っている)取り組みと付け合わせて初めて意味を帯びてくる。
改めて言うまでもないが、走パフォーマンスの改善は、筋の発揮する力が高まることによってのみ成し遂げられるものではなく、むしろいかに筋(力)を使わないで(同じか、それ以上のスピードで)走れるかがカギになるといっても過言ではない。

レースでは、とにかく筋肉をしなやかに使うことだけを考えました。「力を入れる」のではなく、「力を動かす」。指の力を抜くことが、8割の気持ちで10割以上の力を出すコツだと思っています。最後の直線は、流しているように受け取られがちですが、リラックスした滑りは、そう見えるのです(by清水宏保)。
(1998年2月23日 朝日新聞

「力を入れる」のではなく、「力を動かす」。
筋横断面積の変化が何に起因しているのかを問わなければ、真の意味での「データ活用」にはつながらない。
その後、春季サーキットのレース映像を再生しつつ、レースパターンデータとの付け合わせを行いながら、今後のトレーニングについての議論を深めていく。
分析したデータは、できるだけ早く選手にフィードバックすることが重要であるとよくいわれる。
しかし、いかに即時的にフィードバックされたデータでも、その意味をきちんと問わずにチラ見しただけで引き出しに収納してしまえば意味がない。
時間を経たが故に気づいたことや考えたこと、そして取り組んできたことなどを含めて振り返るという作業も、これはこれで重要である(もちろん分析は「迅速」かつ「正確」をモットーとすべし…)。
「あの〜そろそろ…」と競技場の守衛さんから退場を促され、ようやく自宅のあるさいたま市への帰途につく。
気がつけば、すでに3時間が経過…
守衛さん、すみませんでした(皆さん、お疲れ様でした)。