新規開拓は愉しい

moriyasu11232008-06-20

いろいろと立て込んでいる(でも断じて忙しくはない…)。
昨日も退勤が遅くなるのが確実だったので、外で食事して帰ると妻に伝えていた。こういう日は、夕餉になにを食すかを考えながら帰るのがちょっとした楽しみである(と2月12日にも書いた。そのときはココイチ)。
昨晩は、武蔵浦和の駅を降りて、ほぼ決まりかけていた店に足を向け始めた瞬間、あることを思い出した。
そうだ!あそこに行ってみよう。
「あそこ」とは、この店
以前、自宅周辺の店をネット検索していたときにみつけた店である。ずっと気になっていたが、自宅とは反対方向なので、なかなか足を運ぶ機会に恵まれなかった。
駅周辺には、チェーン店系の大衆居酒屋からちょっとこじゃれた創作料理系の居酒屋まで、その数は10を下らないのだが、1人で立ち寄り食事をしながら静かに飲めるような店が無いのが難点だった。
場所はうろ覚えだったが、駅から1分ほど歩いたところで難なく到着(近い)。
臙脂に白で「岡田」と染め抜かれた暖簾をくぐる(ちょっとドキドキ)。
たとえ夜の蝶が飛び交う高級クラブでなくても、初めて入るときには多少緊張するものである(しかもひとり)。
さて、このお店。
30人弱がキャパのこぢんまりとした、清潔感のある、とっても雰囲気のよい小料理屋的居酒屋である。
しかも、貸し切り…(わお緊張)
カウンター奥端から2番目の席に腰掛け、生ビール(黒ラベル)を注文しつつメニューに目通しする。いずれもこだわりの感じられる当てが並んでいる。
お通しは「ふき」。薄めの味付けで香りもよく、しゃきしゃきとした歯ごたえがあってとても美味。
ビールが半分ほど無くなったところで、静岡産の「ヤリいか刺身」と「はんじゅく豆腐」を注文する。切りたてのヤリいかは薄白色で、ほどよい甘みもあってとても新鮮な感じ。はんじゅく豆腐は、カップのプリンのような体裁に、卵豆腐にかけるような薄茶色のたれがかけてある。若旦那いわく、にがりの量を少なめにして蒸すという工程で作るらしい。
いずれも美味。
ビールグラスが空になったところで、青森県が生んだ銘酒「田酒(特別純米)」と「野菜天ぷら」を注文。
かぼちゃ、さつまいも、なす、しいたけ、オクラが、二つずつ彩りよく並べられた天ぷらには、ほとんど透明の天つゆがつきそってきた。この天つゆは、もちろん店のオリジナル。マスターによれば、醤油系の調味料をあまり使っていないそうだ。
素材の風味と揚げ具合で勝負しようという意気込みが感じられる。
もちろん、これも美味。
スタッフ4人対客1人というのはなかなかに気を遣うが、ときに読書をしたり、ときに料理について質問したりしながら、酒と肴を堪能しているうちに、早くもラストオーダーのお時間。
食事メニューにもそそられたが、ちょっと物足りない腹八分感が心地よかったので、田酒を飲み干し、会計を済ませ、「またきます」といいつつ退店(22:40)。
ちょっと贅沢な40分間であった。いい店みっけた。